日本のものづくり産業は今、隆盛を極めたひところに較べて衰退していると思っています。原因はいろいろあるでしょうが、日本の技術者の腕が衰えた訳ではないと思います。しかしながら、作る対象の規模・複雑さの増大、国際競争の激化、品質標準の使われ方の変化などにより、効率と品質に対する圧力は日増しに高まり、次々と降ってくる様々な要求に応えきれなくなってきています。そんな中にあっても、志を失わず、より良い技術、より良いものづくり、より多くのお客様の笑顔を目指して頑張っている人達がいます。けれども自分で調べる時間がない、そのためにスキル獲得が追い付かない、そのため要求に応えきれない、そのためにさらに時間がなくなるという負のスパイラルに陥っています。
この状態のまま時が過ぎて、ものづくりの現場のみならず、日本の産業が、お客様が、幸せになるでしょうか? そうは思わないので、何とかいろいろな場に行き、作り、周りのの人を引っ張り込んで、刺激を受けてもらい、前に進み続ける気持ちを自ら生み出してもらおうと、これまでもしてきました。そしてそれは今後も続けています。だけれども既存の技術コミュニティ(特に日本の)は特定の企業と結びつくのを嫌う傾向があり、問題解決のプロを紹介するということが容易にできる雰囲気ではありません。またプロはプロとして、実際にその腕前を信頼してお仕事としてお客様に関わってもらうまでには長い時間が必要であり、ものづくりの現場を応援するという目的では必ずしも多くの人達に届く形を作れていません。 コミュニティの気楽さ、知的正直さと、プロとしてのサービスも紹介できる奥の深さ、この両方を兼ね備えたもの(団体)というのが、 あったらいいなあ、というのが、そもそもこのギルド構想を検討しようとしたきっかけなのです。 |
ギルドへ寄せる想い >